2017年2月21日火曜日

世界一危険と言われる浜岡原発

1986年に旧ソ連でチェルノブイリ原発事故が起こりました。原因は操作ミスということになっています。この事故の被害者数は直接には数百人ですが、事故の影響でのがんの発生などを合わせると百万人以上になるという研究もあります。この事故によって放出された放射線は、広島原爆の400倍とも600倍とも言われています。現在でも原発の30km以内は入れず、350km以内はいろいろの制限があります。

さて、日本に目を向けると、危険な原発は、1.浜岡、2.伊方、ということになります。浜岡原発は東海地震予想地域の中心にあり、伊方原発は南海地震で震度6強が予測される+中央構造線に隣接していることによります。伊方はちょいと横に置いといて今回は浜岡原発について述べましょう。

浜岡原発が危険なのは、南海トラフの大陸側に位置するからです。海洋プレートは大陸プレートの下に潜り込みますが、その際にかかるストレスによって、大陸側で地震が発生します。東海・東南海・南海の3連動地震が怖いのは、動く断層の長さが異常に長いことによります。さらに海底地震となるため、大規模な津波の発生が見込まれます。さらに浜岡原発は地震予想地域の真ん中であるため、大規模な直下型地震の可能性もないとは言えません。3連動地震のMwは8~9と言われています。

新潟県中越沖地震(Mw6.8)では、柏崎羽原発には2058ガル(地震の加速度)の負荷がかかりました。3連動地震での浜岡の震度は6強~7といったところで、低く見積もっても3000ガルぐらいはあるのではないでしょうか。浜岡原発の耐震設計は1000ガルなんですけど、大丈夫なんでしょうか。

東日本大震災の津波
海が押し寄せてくるのがよく分かる

福島第一原発の事故では、津波による被害により未だに復旧ができていません。福島第一原発の標高は10m、浜岡原発の標高は6mです。「津波」の項で触れように、津波は波というイメージを持ってはいけません。海が盛り上がり押し寄せてくるようなもので、防波堤などは役に立ちません。
防波堤1m四方にかかる力は、津波の波長100kmの内1/10が堤防にかかった場合は、1m×1m×10km=10000立方メートルですね。水は1立方メートルで1トンの重さがあるので、1万トンがかかります。下の写真を見て下さい。
かなり薄っぺらいものが作られていますが、大丈夫なんでしょうか。応力計算などをせずにとりあえず世論を誤魔化すために作ったような気がしてなりません。

浜岡原発の防波堤
浜岡原発がチェルノブイリと同等の事故に逢った場合は、半径30kmを封鎖します。これはだいたい、藤枝-磐田です。もし、50kmを封鎖するなら、静岡-浜名湖東部あたりまでで、静岡・浜松の2つの政令指定都市を含みます。半径50km内には200万人以上が居住していますが、この区域では120万人~130万人の死者が出ると思います。なんせ、原爆の400~600倍なのですから。3連動での津波などの被害は最大20万人と思いますので、いかに浜岡原発が危険なのか分かります。

浜岡原発の350km以内ではがんの発生率が増加すると考えられます。最大の範囲では、姫路-丹後半島-北陸全域-新潟-福島県南部-茨城県北部です。この中には20ある政令指定都市の内13+東京が入ります。さらに以降20年ほどは立入り制限が設けられると思います。影響があるのは概算で最大8000万人というところでしょう。若い人より年を取った人の方が死亡率が高いそうで、チェルノブイリ付近では、平均年齢がかなり下がったとも聞いています。日本の政治家(政治屋?)さんはかなりお年を召した方が多いですが、陣頭指揮をとられると思います。ご冥福をお祈り致します。

東京がやられると、首都移転を含めた対策が必要なんじゃないでしょうか。被害を受けない政令指定都市は、札幌・仙台・岡山・広島・北九州・福岡・熊本です。難しいところです。どこにも近くに原発があります。可能性のある場所は、稚内・網走・根室・那覇・小笠原といったところですが、どことも問題を抱えています。さて、どこがいいですか?

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