結論から申しますと、原子力発電は日本では無理が多い発電法です。
理由としては、自然災害、特に地震と津波の多さが上げられます。地震は多くの場合、活断層によって引き起こされ、津波は海底地震によって起こされます。下図の通り、日本は多くの活断層があります。これは、北米・太平洋・ユーラシア・フィリピン海の4つのプレートの接点となっているために、どうしても大きな力がかかるからです。
地震について
では地震のエネルギーはどのくらいなのでしょうか?津波は地震のエネルギーのごく一部ですから、その大きさはかなりのものです。難しい計算はすっ飛ばして、広島型原爆と比較してみましょう。原爆も地震も評価によって多少の差がありますので、概算ということで・・・。ちなみにMw6.0以上で津波が発生します。
・広島型原爆(Mw6.0) 1.0倍
・阪神淡路大震災(Mw6.9) 23倍
・熊本地震(Mw7.0) 32倍
・関東大震災(Mw7.9) 710倍
・東日本大震災(Mw9.0) 31600倍
地震の規模に比べると被害はそれほど差がないじゃないかと思われる方もおられるでしょう。実は地震本体の被害は、都市との距離、震源の深さなどによって変わるからです。たとえば阪神淡路大震災ではほとんどが地震本体の揺れによる被害でしたが、東日本大震災ではほとんどが津波による被害でした。被害状況は条件によって大差があるのです。津波についてはまた気が向いた時に書きます。たぶん。
活断層について
原発が活断層に近いということはそれだけでかなり危険なことと言えます。原発は日本では海岸に作られています。冷却水が得やすいこと、物資の輸送が便利なことなどの理由によります。しかし、福島第一のように津波の被害に逢う確率も高くなります。
補足しておきます。青色の太い線はプレートの境目です。
浜岡原発のすぐ東側の3交点は富士山付近です。富士山付近から日本海溝に繋がるのは相模トラフといい、関東大震災の震源です。富士山付近から北に延びるのは「糸魚川静岡構造線」で、フォッサマグナの西縁に当たります。フォッサマグナ東縁は活火山が多く未確定ですが、「柏崎千葉構造線」が結構有力です。また、紀伊半島中央部から四国九州へと伸びる断層が中央構造線です。「浜岡原発」の文字に隠れていますが、豊橋から長野県の諏訪湖付近まで伸びています。
火山や平野部では断層上に堆積物が載っていますので、断層が見つからない場合が多いです。宅地の造成などで発見される断層も多々あります。
活断層について書きかけたのですが、話が長くなりそうだったので、また気が向いた時にします。
危険な原発
従って、活断層上または近いところにある原発、海岸沿いにある原発
・一番危険と見られているのは活断層上にある「敦賀原発」です。
・東海・東南海・南海3連動地震が起こるんじゃないかと言われているので、南海トラフに近い「浜岡原発」もかなり危ないです。
・中央構造線に隣接する「伊方原発」もかなり危ないでしょう。
・フォッサマグナ東縁に当たる「柏崎刈羽原発」も可能性は高いと思います。
・東日本太平洋側の原発は福島第一と同じ被害に逢う可能性があります。
・若狭湾6サイトのうち4つは断層帯に当たります。
どれもこれも安全とは思えません。大陸ならほとんど地震がない安定した場所がありますので、立地条件に合う場所が捜せます。日本には活断層が多すぎてそれがないのです。
従って、日本は原子力発電所に向かない土地であるにかかわらず、作りすぎてしまったことが元々の誤りであったのではないかと思います。
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