肩こりの原因といっても、一般的な肩こりの原因である筋肉の疲労によるものから、病気が原因でひき起こされる肩こりまで、肩こりの原因は様々です。ここでは、様々な肩こりの原因について解説しています。
便利になった現代社会における日常生活の副産物として、「生活習慣の乱れ」「運動不足」 が、あげられますが、肩こりの原因の中で、一番多くみられるのは「筋肉の疲労」によるものです。デスクワーク等による「長時間での同じ姿勢」、これに伴う「不良姿勢」「机と椅子のアンバランス」「不良姿勢による長距離運転」など、【全身を使わず、同じ筋肉のみ使いつづける】結果、筋肉が疲労をおこし、肩こりの原因として多くあらわれるのです。
肩こりの原因
無理な姿勢
・不良姿勢
•机と椅子のアンバランス
•足を組んだり、前かがみでのデスクワーク
•枕が合わない(高すぎたり柔らかすぎる)
•首が下がり、下をむいたような姿勢
•寝転がってTVを見る
肩こりをおこしやすい体形
•肥満•なで肩•猫背•弱い筋肉
心因性のストレス
•日常生活で悩みや不安、怒りを感じる
•完璧主義(人一倍責任感が強く、真面目で几帳面)
•精神的に緊張した状態が続く
•内向的な性格
•うつ病
眼精疲労 目の疲れ
•眼鏡 、コンタクトレンズがあわない
•長時間パソコンのディスプレーを凝視している=「テクノ依存症」「テクノ不安症」
•パソコンのディスプレーが不適切
・室内が乾燥している
背骨や関節の異常
•肩のこりとともに、「痛み」「痺れ」を感じる
•腕があがらない
•首を後ろや横に倒したりすると痛みが強くなる
•歩行障害
•便秘
・排泄障害
•物がつかみにくい
・握力が弱くなる
病気
•頭痛・頭重(頭が重い)
•めまい
•動悸•胸が痛む
•倦怠感
•耳鳴り
•背中が痛む
・左肩/右肩が痛む
女性特有の病気
•生理異常
•子宮筋腫
•子宮内膜症
•更年期障害
•胸郭出口症候群
•妊娠
•子宮付属器炎
•卵巣膿腫
•子宮がん
その他
•冷え性
•運動不足
•更年期障害
•体をキツクしめつける服・下着
•ネックレス、イヤリング等のアクセサリー類
•歯のかみ合わせによるもの
肩こりにかかわる病気
一口に肩こりといっても、特に心配の要らないものから、病気が原因となって起こる肩こりもあります。
肩こりにともなう頭痛やめまい、吐き気など、下記、表にあげる症状があらわれている場合には特に注意が必要です。他の病気が原因で肩こりの症状があらわれるているのかもしれません。頭痛やめまい・吐き気など、肩こりの他に、こうしたなんらかの症状がみられたら、躊躇せず病院で診察を受けましょう。
・頭痛・めまい・吐き気・頭が重い
・動悸・めまい・のぼせを感じる。
・痛みが日に日に増してゆく。
・痛む箇所が一定しなかったり、肩・首の全体が痛む。
・腕や指・足先・大腿部など、手足のしびれがある。
・お腹や胸の痛みをともなう。
頚肩腕症候群
本来、頚肩腕症候群とは、さまざまな原因によって、首、肩、腕にかけてのこりや痛み、痺れなど、はっきりとした診断がつきにくい病気の総称をさします。
症状としては、肩こり・頭痛・上肢の痛みやしびれ・冷感・めまい。首・肩・腕の筋肉痛など、があげられます。
病名自体はっきりとした診断がつきにくい病気の総称ため、考えられる原因も、頸椎椎間板の異常、首・肩周辺筋肉の疲労、ストレス、内臓疾患など様々です。
症状ががんこな場合、原因を専門医によってはっきりさせることが大切です。
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
特に原因もなく自然に肩が痛み、腕が上がらなくなるなど、老化とともに肩関節が痛んだり、動きが以前より悪くなるものです。
症状としては、「肩があがらない」「夜間、肩が痛んで眠れない」「動作時に痛む」があげられます。
大半は、時間の経過とともに痛みがとれてきますが、治療は早い時期に開始したほうが治りも早いようです。
胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)
胸郭出口とは、「鎖骨と一番上の肋骨の間にある隙間」のことをさし、この隙間が狭くなることにより、そこを通っている神経や血管を圧迫するために、肩・腕に様々な症状が出るものです。
特徴として、「手を上にあげると痛みが起こる」があげられ、症状として多いのは、「肩や首のこり・痛み」「腕から手にかけての痺れ」「腕のだるさ」があります。
又、血管が圧迫されている場合は、血管が圧迫されることにより、「手指の冷感」「指先が蒼白・紫色」になることもあります。
治療は、必要に応じ、消炎鎮痛剤や筋肉弛緩剤を使用し、症状が重い場合は、外科手術が必要になることもあります。
変形性頚椎症(頸部脊椎症)
無自覚の場合もあり、初期では、肩こりや首の痛みなどがあります。
症状が進むにつれて、肩や腕のしびれ・後頭部に痛みが現れたり、動かす方向によっては首が痛くなったりする場合もあります。
頸椎の老化に関係し、椎骨と椎骨の間にある椎間板が薄くなったり、椎骨のふちに骨棘(こっきょく-とげのような突起)が出てくるため、周囲の組織である脊髄や神経根、血管を圧迫することが原因でおこります。
早期のうちに治療をうけると、症状の進行に歯止めをかけられることができます。神経麻痺など、日常生活に支障をきたすように症状が深刻な場合は、手術をして改善します。
頚椎椎間板ヘルニア
下記の順にゆくほど症状は悪化
1.首痛・肩こり・背中の痛み
2.手のしびれ、むくみ・腕が痛む、だるい・握力の低下
3.頭痛・めまい・吐き気・耳鳴り
4.歩行障害や尿失禁など
痛みが進行している場合や強い場合は安静にすること。
基本的には、消炎鎮痛剤や湿布、必要に応じてカラーななどの装具療法や、けん引療法など、保存的療法で治療を進めます。
症状が軽い場合は通院して治療を進めますが、症状の程度によっては、ヘルニアの摘出・椎骨の固定などの手術が必要になることもあります。
頸椎後縦靱帯骨化症(脊柱靱帯骨化症)
無症状で自覚症状の無い場合もありますが、手足に痛みやしびれがあげられ、ペンや箸がうまく使えないなどの手指の細かい作業がしづらい。足がつっぱって歩きにくいなどの症状がおこります。さらに排尿排便異常などの重い症状を伴う場合もあります。
元来、柔らかいはずの後縦靱帯がなんらかの原因によって骨化して肥厚し、頚椎や神経根を圧迫するために様々な障害をおこすものです。骨化の原因が不明です。
装具(頸椎カラー)で安静を保つ。
消炎鎮痛剤や筋弛緩剤の使用。
保存療法では改善されない強い障害のある人には、脊髄を圧迫から開放することを目的とし、外科手術が行われます。
むち打ち症
衝撃後、数時間後~翌日になってから首が動かしづらい、動かすと痛い、押すと痛いなどの痛みや、熱、頭が重い感じなどの症状が現れます。
衝撃の度合いにより、症状も様々で、肩こりやこわばりなどの軽度のものから、後頭部や腕のしびれ、首や背中が動かしづらい、めまい・吐き気・全身の倦怠感、腰痛、視力障害、耳鳴りなどがおきることもあります。
損傷の型の多くは、「頸椎捻挫型」となります。
基本的には、全身の安静。頸椎カラーの装着。痛みには消炎鎮痛剤などを使用します。なお、頸椎カラーの長期装着は、首の筋肉の筋力低下につながるため注意が必要です。
また、症状が重度の場合、入院して薬物療法、理学療法が用いられます。
肝臓病
右側の肩甲骨や右肩が痛む場合は、肝臓障害の可能性があります。しかも腎臓の病気が原因でおこる肩こりの場合、一般的な肩こりよりも激痛であることが多いです。ですから、右側の肩甲骨や右肩に強い痛みが出た場合は、一度病院で診察を受ける事をおすすめします。
このように肩こりの原因が、うつ病や心臓病、胃腸の病気、肝臓の病気などの場合があります。もちろん可能性があると言うだけで、「絶対にこの病気です」と言うわけではありません。ただ、どんな病気も早期発見が大切ですから、気になる方は病院で診察を受けてください!
糖尿病
初期の糖尿病には目立った症状はありません。のどが渇く、排尿の量や回数が増える、疲れやすくなる、極度にやせるなどの症状は糖尿病がかなり進んでから現れます。
高血糖になると血液の粘り気が強まり、血流が悪化します。 そのため、首から肩・背中にかけて、まるでゴム製の板でも入っているかのように、パンパンに張った強いコリが現れます。 また、パンパンに張った部分を無理に指でつまんだり押したりすると、皮膚がへこんで跡が付くこともあります。 これは、浮腫(むくみ)がある証拠で、専門的には「糖尿病性硬化症」と呼んでいます。
合併症を招かないためにも、食事と運動に気を使って生活し、専門医の診察を受けてみて下さい。
うつ病
うつ病が原因で肩こりになる事があります。でもなぜうつ病になると、肩こりの症状が出るのでしょうか?それは、うつ病になると自律神経のバランスが乱れ血行不良になる事が原因しています。つまり血行不良になる事で、肩こりの症状が出ているのです。
うつ病が原因で起こる肩こりの場合、まずはうつ病治療をする事が先決です。一昔前とは異なり、現在ではうつ病もポピュラーな病気となりました。ですから、人目を気にせず心療内科などで治療を受けてください。うつ病の治療をすることで、肩こりがすっきり治る事も多いです。
心臓病(狭心症・心筋梗塞)
左胸・背中や左肩のみが痛む肩こりの場合、心臓病(狭心症・心筋梗塞)から来ている可能性があります。通常肩こりと言えば、両肩が同時にこる事がほとんどです。しかし、心臓病が原因の肩こりの場合は、左側のみ痛みを感じる事がほとんどです。
その為、「最近左側だけがやたらこる」と感じる方は、一度病院で診てもらった方が良いかもしれません。ただ、左肩がこるからと言って、必ず心臓病のサインだというわけではありません。ですから過度に心配する必要はないのですが、激痛が走る場合は要注意です。
高血圧から脳梗塞
悪い姿勢や疲労、運動不足などが原因で起こる一般的な肩こりは、ふつう、一仕事済んだ昼過ぎから夕方ころ、両肩に起こり始めます。このような一般的な肩こりとは違って、朝から肩がこり、なかなか解消されない場合は 「高血圧」が疑われます。 自覚症状がないとされる高血圧にも、血圧が上がるときに小さなサインを発することがあります。そうしたサインの中で、特に注意したいのは「朝の肩こり」です。 血圧は、早朝から上昇してきます。すると肩や首の血流が悪くなるため、高血圧の人は、朝目覚めてすぐに肩こりが起こることが多いのです。 十分な睡眠や休養を取ったにもかかわらず、起床時に肩こりが解消していない場合は、高血圧の疑いが濃厚です。しかも、早朝からの肩こりでは、脳に血液を運ぶ頚動脈が強く圧迫されるため、非常に危険です。首筋を通っている頚動脈が圧迫されて収縮するため、脳の中の血管が痙攣して血流が止まり、その結果、脳梗塞を起こす場合があるからです。
転移性のがん
肩こり、首の痛みのなかでも、脊髄にできた腫瘍が原因となりおこるケースがあります。
•痛む場所が一定しない
•日増しに痛みが強くなる
•激しい痛み
•めまい
•腕に広がる痛み
•指先のまひ
•夜間、強まる痛み
•排泄時の違和感 など
上記のような症状や、鎮痛薬の効き目がなく日増しに痛みが強くなるなど、筋肉の疲労が原因の肩こりとはちがうな?と、思ったら、躊躇せず病院で検査をうけるようにしましょう。
がんに対しては、「早期発見」「早期治療」が重要です。
必要な栄養素と食品
肩コリにはビタミンを摂ることが効果的です。
肩コリを緩和する成分について理解して、症状の改善に役立てましょう。(腰痛も同じです)
ビタミンB1
ビタミンB1には、食事で摂取した糖質を、筋肉などに必要なエネルギーに変える働きがあります。
ビタミンB1は、豚肉、レバー、大豆、豆類、ごまなどに多く含まれています。
筋肉の使いすぎで負担をかけると、乳酸がたまり、硬くなったり張った感じがします。ビタミンB1はそのような筋肉の疲労を回復させる働きをもっています。
ビタミンE
ビタミンEには、血液の成分である赤血球や、血管などを柔らかく保つ働きがあり、この働きによって血行が改善されます。血行が良くなると筋肉にたまった乳酸等が運び出され、筋肉に酸素と栄養をとどけられるため、筋肉の硬直=コリがやわらぎます。
ビタミンEは、植物油、かぼちゃ、ほうれん草などに多く含まれています。
活性型ビタミンB12
活性型ビタミンB12は、傷ついてしまった末梢神経を修復する働きがあります。
末梢神経はたんぱく質とリン脂質という成分でできており、傷ついた時の修復には、これらの成分を補う必要があります。
活性型ビタミンB12はたんぱく質とリン脂質の合成を促進し、末梢神経の傷を修復します。
活性型ビタミンB12は、魚卵類、乳類、魚介類、肉類などに多く含まれています。
葉酸
葉酸はビタミンBの一種で、活性型ビタミンB12の働きを助ける働きがあります。傷ついた末梢神経を修復するには、それを構成している成分である、たんぱく質を補う必要があります。このたんぱく質が作られるときに必要となるのが葉酸であり、活性型ビタミンB12が末梢神経の傷を修復する際に利用されます。
葉酸は、牛レバー、アスパラガス、トウモロコシなどに多く含まれています。
生活での注意
運動不足
机にばかり向かっていて運動をしなかったり、車にばかり乗っていて歩かなかったり、もともと運動をすることがきらいだったりすると、肩がコリやすくなります。
悪い姿勢
うつむき姿勢で長時間パソコンにかじりついていたり、寝ころんで本を読んだり、背が高いことを悩んでネコ背になったり、逆に、ネコ背を直そうとして胸を張りすぎたりしていませんか?
悪い姿勢と運動不足が続くと、肩こりになりやすく、治りにくくなります。毎日、意識して、正しい姿勢を身につけるように努力しましょう。
目の使いすぎ
暗いところで本を読んだり、テレビを見すぎたり、メガネの度が合っていなかったりする場合、目はとても疲れてしまいます。
目の疲れは、肩や首の筋肉の緊張を引きおこし、肩こりを呼びます。
目を1分ほどじっと閉じているだけでも目は休まります。とくに細かい文字などを見続ける仕事の人は、よく目を休ませてください。
過度の運動
自分の限界以上の運動は肩を痛めることが多いものです。何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」と肝に銘じて、過度にならないようにしてください。
ストレス
悩み事があって寝不足が続いたり、仕事がうまくいかずストレスがたまったりしておこる肩こりは、そのストレスが原因です。しかし、現代社会はストレスの連続です。
上手に発散させたいものですが、徹夜マージャンや長距離ドライブなど、同じ姿勢を長時間続けるようなものはストレスは発散されても肩こりは治りません。
疲労
肩こりに限らず、疲労は、あらゆる病気の源です。その日の疲れはその日のうちにとりましょう。
太りすぎ、やせすぎ
太りすぎの人は背骨にかかる負担が大きく、運動不足にもなりやすくなります。また、やせすぎの人には筋骨の弱い人が多く、猫背になりやすくなります。
靴、ハイヒール
足に合わない靴やハイヒールは、肩こりや腰痛のもとになります。
肩こり改善法
温シップと冷シップの使い方
温めた方がいいか、冷やした方がいいかは肩こりの種類と症状によってことなります。
慢性の場合は温める、急性で炎症のあるものは冷やす、と覚えてください。
骨格的に正常なのに極端に肩がこるのは、ほとんどが筋肉の酸素不足です。姿勢が悪いことなどによって血行が妨げられているのです。筋肉に酸素を供給して血行をよくするためには、肩を温めます。がんこなコリで手がしびれるような時も、こっているところを温めます。夜、同じ姿勢で寝ていられないほどコリがひどい時も、とにかく温めて血行をよくし、筋肉をやわらかくしてやることが大切です。
ですから、一般的な肩こりには、普通は温める方法を用いればよいのですが、急激に肩を使ったため肩に炎症をおこしている急性の肩こりの場合には、最初にしばらく冷やすこともあります。冷やすことによって、炎症がしずまり痛みがやわらぐからです。しかし、冷やしたあとは、血行をよくして肩こりを治すために温める方法に切りかえてください。
温シップ以外で温める方法
蒸しタオル・ホットパック・インスタントカイロ・ドライヤー(蒸しタオル以外は直接肌に触れないように)
冷シップ以外で冷やす方法
氷・アイスパック(どちらも直接肌に触れないように)
マッサージ
マッサージをすると筋肉の緊張がゆるみ、血液循環がよくなります。これまで運動不足だった人が急にゴルフやテニスを始めて肩を痛めたなど肩こりの場合は、患部が赤くなったり熱をもつなどしています。そんなときはマッサージをしてはいけません。マッサージは炎症がとれたあとで行います。なお病気が原因でおこっている肩こりは、まず、その病気を治す治療を受けることが先決です。
マッサージは、腕→背中→肩の順に先端部から肩に向けて、血液を心臓に返してやるようなつもりで次のように行います。
(1)もむ
手のひら全体を使って筋肉をもみほぐします。くり返しおこる肩こりには腕をよくもむと効きます。親指と4本の指で手首のあたりをつかみ、肩に向けて、内側、外側の筋肉を十分にもみほぐします。
背中と肩は、治療を受ける人はうつぶせ、行う人はその腰あたりに立てひざになり、腰のあたりの背骨の両側の筋肉に両手のひらを指先をすべて開いてピタリとつけ、手のひら全体で筋肉を大きくつかむようにもみます。1ヵ所に4~5回ずつ、肩に向けて同様に行います。
肩は、親指と4本の指で肩全体をつかみ、指の腹と手のひらに力を入れて全身でもみます。手首に力を入れるとうまくいきません。
(2)たたく
手を軽くにぎり、リズミカルにたたきます。腕は手首から肩へ向けて腕全体をまんべんなくたたきます。背中は、腰のあたりから肩へ向けて、両手で小刻みにトントンと波状にたたきます。最後に肩を軽くたたきます。
もむ、たたく、どちらの方法でもよく、30分ほど行えば血行がよくなり、効果的です。
入浴
お風呂に入ると全身の血行がよくなるために大変効果的です。
肩こりの人は、ぬるめの湯にゆったりと首までつかって温まるのが一番です。汗が出てくると、体の芯まで十分に温まっています。湯あがりに、こっている部分に45度前後の熱めのシャワーを勢いよくかけると、さらに血行がよくなります。
また、コリがひどい時は、シャワーの交代浴もよく効きます。まず、40~42度のシャワーを2~3分浴びてから17~20度のシャワーを2~3分浴びます。これを5~6回繰り返し、最後にお湯を浴びます。
また、肩のうっ血は夜より朝のほうがひどいので、できれば朝晩2回の入浴をおすすめします。
睡眠
肩こりは、人類が二本足で歩くようになった代償だといわれています。重い頭を首で支えなければならなくなったため、横になって休んでいるとき以外は、首に大きな負担がかかり続けるようになりました。
食事をしたり、お酒を飲んで楽しく過ごしたりしている時も、マージャンやゲームに興じている時も、首や肩の周囲の筋肉はいつも緊張し、必死になって頭を支えています。肩こりを治すためには、この緊張をといてあげなければなりません。
その最も簡単な方法は、横になって安静にすることです。そして、頭の重さから首や肩を解放してあげるわけです。実際、軽い肩こりや若いうちの肩こりなら、リラックスして一晩ゆっくりと眠っただけで、楽になることが多いものです。
一日のうち3分の1は眠っているのですから、睡眠時間を有効に使って首や肩の筋肉に休養を与えましょう。
そのためには、枕を選ぶことが大切です。枕は頭をのせるもの、という発想から、首の頚椎を安定させるものであるという発想に切りかえてください。
首の骨は、わずかに山型にカーブしています。この自然なカーブにそって自在に変形してくれる枕を、頭の下ではなく首の下に入れて休みます。フワフワの枕や、大きすぎたり高すぎたりする枕、固すぎる枕は、よくありません。昔ながらのソバガラ枕では、直径8cmほどで、幅は、肩幅より1~2cm大きめの円筒形のものが最適です。
布団は、少し固めのものを用います。やわらかいマットレスや布団は、横になった時に、おしりと背中が沈みすぎて、背骨や首の自然なカーブを損ない、かえって肩こりや腰痛の原因になります。また、肩や首を冷やすと肩こりがひどくなるので、寒冷期には肩や首を冷やさないようにして寝ましょう。普通のかけ布団ではどうしても冷えてしまうので、えりまきなどで保温するか、かいまきを用いるとよいでしょう。
肩こりストレッチ
ストレッチは筋肉を伸ばす運動です。人間の首や肩は多くの筋肉によって支えられています。首や肩周辺の筋肉の緊張を取ることによって痛みの軽減や防止が可能となるのです。本来は全身の筋肉や関節はお互いに関係しあっているので、全身のストレッチも肩こりに効くと言われています。
ストレッチの注意事項
・勢いをつけず、ゆっくりと行いましょう。
・筋肉の動きを意識しながら行うと効果的。
・無理は厳禁。 自分に合ったペースで、毎日少しずつ行うことが重要です。
・肩から手にしびれや酷い痛み・頚椎や腰椎に問題がある場合・怪我・手術後・発熱時などは、ストレッチをしないで下さい。
・偏頭痛の方は、動くと悪くなるケースの頭痛のため、ストレッチをしないで下さい。
・ストレッチ中やストレッチ後に、痛みが強くなるなどの異常を感じたらすぐに中止し、速やかに病院で医師の指示を仰ぎましょう。
肩こりレベルチェック
壁の前に大の字になるように立ち、踵・お尻・肩・両手・後頭部を壁につけます。
腕を水平にしたまま片手を反対の腕に近づけます。この時に両方のお尻が壁から離れないように注意しましょう。
ストレッチは首・肩・背中は2つずつ位、肩甲骨はどちらかをやるのがいいでしょう。
Excellent 手首をつかめる
肩こりがほとんどない方が多いのではないでしょうか。肩のこりを感じていなくても運動不足気味の方はストレッチを1セットずつ行うとスッキリしますよ!
レベル1 手で肘より先(前腕部)をつかめる
このレベルで肩こりを感じている方は少ないと思いますが、背中の柔軟性がやや低下しています。ストレッチを1セットずつ行ってExcellentレベルを目指してください。
レベル2 手で肘をつかめる
たまに肩がこる人の多くはこのレベルにあると思います。普段エクササイズしていてもこのレベルにある人も多いのではないでしょうか。背中の柔軟性を高めるためにストレッチを2セットずつ行いましょう。
レベル3 手で肘より手前(上腕部)をつかめるor手が腕につかない
柔軟性が不足しています。ストレッチを重点的に行い柔軟性の回復に努めましょう。ストレッチを3セットずつ行うと効果的です。
首のストレッチ
・首をゆっくりと左右交互に倒します。
・首だけでゆっくりと左右を交互に見て下さい。
・首をゆっくり前後に倒します。
・首をゆっくり回しましょう。反対にも回します。
・仰向けに寝て、頬を床につけます。アゴを引かないように注意しましょう。反対側も同様に行います。
・ゆっくり息を吸いながら思い切り肩をすくめ、首を縮ませます。次に、ゆっくり息を吐きながら肩を出来るだけ降ろし、首を伸ばします。
肩のストレッチ
・真横に伸ばした腕を反対の腕で胸の方に引きつけます。反対側も同じ要領で行います。
・片手で反対側のひじをつかみます。つかんだ手で腕を頭に引きつけます。 反対側も同じ要領で行います。
・上体をかがめながら、前に両腕を水平に伸ばしてゆきます。続けて、上体をかがめながら両腕を後ろに反らせます。
・片方の腕を背中にまわし、もう一方の手で肘をつかみ前方に引きます。
・背中側に腕をまわし、腰の後ろで反対側の肘をつかみ横へ引きます。
肩甲骨内側のストレッチ
1.脚を伸ばして座り、手で反対側のつま先を握ります。(左手で行う時は右のつま先を握ります。)
2.つま先を握ったまま体を捻りましょう。
3.反対側も同様に行います。
※つま先に手がつかない方は膝を少し曲げて行いましょう。
肩甲骨を締める運動
1.イスに座るか直立するかして、背筋を立てます。
2.2.両側の肩甲骨をぐっと真ん中によせて、伸びているのを感じます。
3.3.5秒ほど止め、元に戻すのを7回繰り返します。
背中のストレッチ
・四つ這いになり掌を上にむけてから肘を床につけます。両手を重ねあわせ、肩幅に肘を開いてから腰を後ろに引きましょう。
・四つ這いになり片側の腕を伸ばして手を床につけます。反対側の腕を、伸ばしている腕の下でクロスさせ肘を床につけます。腰を後ろに引きましょう。片側が終わったら反対側も行います。
・四つ這いで肩の真下に手をつきます。背骨を持上げるように背中を丸めます。首の力を抜いて頭を下にしましょう。左右の肩甲骨の間が開いている感覚があればOKです。
・手の平を外側に向けて両手を組み、前方にまっすぐ伸ばしますす。このとき、肩甲骨の間を開くようにします。
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