20年ほど前のことです。私は久し振りに車を買いました。中古だが8人乗りのワゴン車で、これで友達と一緒に遊びに行けると思っていました。駐車場が必要なので探したところ、高速道路の近くの大きな駐車場が空いていたのでそこにしました。料金は相場より少し高かったですし、3か月分の敷金も取られたのでどうかと思ったのですが。敷金と言うのは部屋を壊したりしたときのために予め払っておくためのもので、駐車場をどないしたら壊すんじゃと思いました。ここらでは、駐車場に敷金は取らないんだよ と言ってやりたかったがやめました。車の購入に駐車場の証明が必要だったからです。駐車場の証明でさらに1ヶ月分の駐車料金を取られました。文句を言いたかったが、このあたりでは駐車場の証明は1ヶ月分の駐車料金が普通だったからです。
とある日曜日のことです。車に乗ってどこかに行こうとしましたら、鍵穴がない!その代わりに鍵穴の位置に大きな穴が空いていました。不思議なことです。今まで鍵穴がなくなったことはありません。仕方がないので助手席から乗ろうとしたら、やはり鍵穴がない!そのとき近くの溝の中に鍵のシリンダーを見つけました。もしかしたらシリンダーを押し込んで鍵を回してみたら開くかも知れないと思ってやってみたが、ダメでした。不思議なことだったが、この方法はあきらめなくてはならない。無念です。
そのとき、後部座席から入ったらいいのではないかと、突然にいい考えが浮かびました。しかし、後部座席のドアも鍵穴がなくなっていました。
最後はトランクから入るしかないと思いましたが、これも鍵穴がなくなっていたらどうしようと、ちょっとだけ弱気になった私です。しかしそういうこともなくトランクだけはあけることができました。そこから入ってごそごそと運転席に座ると、どうしようかと考えました。そういえば今まで車に入ることしか考えておらず、それからどうしたらいいのかを考えていませんでした。
とりあえず落ちていたシリンダーを2つ見つけたので、それを持って知り合いの自動車工場に行きました。自動車工場でなんでシリンダーを持ってきたのか訊かれましたが、私もわかりませんでした。強いて言えば、そこにあったからです。
ある日突然に「駐車場をやめる」という連絡が入りました。新しい駐車場をさがしたが適当なものがありません。ちょうどその時、車検になったので、そのまま車を廃車にしてしまいました。駐車場からは、敷金が返ってきました。もう返ってこないと思っていたのでちょっとだけうれしかった。
その駐車場は、ほどなく新興宗教の駐車場になりました。駐車場を丸ごと新興宗教に売り飛ばしたということがわかりました。
宗教の呪いである。車両保険をかけておけばよかったのにと後悔しても後の祭りです。
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