2017年1月24日火曜日

嘘と本当の境界にある健康情報

学会の発表

よくTVの情報番組を見ていると、「この薬を飲むとコレステロールが減ると、学会で発表されました」なんて、よく言ってますよね。「私はコレステロールが高いからあの薬を飲もう」と思いますよね。
これは、多分、大きな勘違いです。

「多分」というのは一部の学会では論文審査がありますが、多くの学会は審査なんてありません。
結果がはっきりしないものや、かなり怪しげなモノでもなんでもOKのところもあります。「学会で発表した」ということは、単に発表したという事実以外にはなにもありません。「研究が認められた」「科学的に正しい」わけではないんです。仰々しくいうことで、「科学的に正しい」というように思って欲しいからです。大抵の人は学会なんてあまり行ったことがないと思いますが、学会とは「私はこんな研究をしていますよ」、と述べるところです。

では、なぜ、「科学的に正しい」と思わせたいのでしょうか?うがった見方をすれば、「科学的に正しいかわからない」からでしょう。「科学的に正しいかどうかわからない」=「効果は自信ないから権威らしいものをつけています」となれば誰も欲しがらないでしょう。「効果を保証するものではありません」と書いているのは親切な方でしょう。

きちんと論文に仕上げ、それなりの学術誌に乗るようになって、初めて研究として認められます。
科学的かどうか研究内容の吟味を問うのは、ここからです。ナントカ誌に論文が掲載されたと言って、その論文の要約でもホームページに掲載して頂けるなら、幾分は信用しますよ。

「学会で発表されました」「効果は怪しげ」と読み直しましょう。


片面提示と両面提示

よくTVを見ていると、特に健康関係はいろいろな面白いことを、有名な先生が言っています。そのうち、誰でも見つけられそうなものに、片面提示というのがあります。例えば次のようなものがあります。「鉄分は人体には必要なミネラルの一つで、不足すると鉄欠乏性貧血を起こします。鉄分を取るようにしましょう」さて、これは正しいでしょうか。

答えは、正しいです。

しかし、片面提示ですからこれを読んだ人は鉄の知識がないと、罠にかかることになりますよ。
正しく述べることは、正しいとは限りません。訳が分かりませんか?片面提示とは物事を一方向からしか見ていないことです。ここには、「鉄サプリメント」を売るための方から見て都合の良いデータを並べてあります。これが、片面提示です。

これの対語は両面提示で、都合の悪い面も併せて述べるものです。鉄の過剰摂取、毒性、アルコールなどの影響などですね。この片面提示の方法は、よくあちこちで行われていますので、都合の悪い面もしっかり調べて、間違いないものを購入してくださいね。片面提示は先生の言葉の中の都合のいい部分を編集したときに起こるというのも知っておきましょう。

「片面提示」=「危険性があるかも」と読み直しましょう。

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