さて、それは社内旅行で高知へ行った時の話。結構有名らしい旅館に泊まりました。宴会で皿鉢料理が出てきました。名物ですから当たり前と言ったら当たり前。若い~年老いた女性が現れて、かつおのタタキを取ってくれるのです。
私は魚が嫌いです。とくに魚と野菜を一緒にすると野菜も食べられなくなります。
私のところには、中年を少し過ぎた位の女性が来ました。魚は嫌いだからいらないという私の言葉は完全に無視されて、隣の友人よりもひいき目に見ても多く取ってくれました。
私がまだ余裕だったのは、食べなけりゃいいわと思っていたからでした。しかし、中年過ぎの輩は、「これはここの名物だからどうぞ食べて下さい」とほざきおったのです。小さな親切、大きなお世話。どうも私が食べるのを見届けるまでここにいるようでした。私はテーブルの一番端でしたので、次の人がいないのです。
仕方なく、一番小さいのを箸でつまんで息を止め、飲み込みました。「もっと大きいのを食べて下さいよ」といわれたので、「だからそれは大きなお世話なんだよ」と言い返せるはずもなく、私は大きなかつおのタタキを口に入れられてしまいました。
ぬるっとした微妙な舌触り、噛み切りにくいほど生きのいい肉厚、口中に広がる魚の生臭さを中心とした独特の香り、まるで天国に召されたかのような味がしました。
すぐにトイレに行ってうがいを嫌と言うほどしましたが、胃に入った魚の匂いは消えません。私はショックのあまり永遠とも思える眠りについたのでした。
次の日は睡眠が十分だったので元気でした。
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