8月になると、そろそろ台風が心配になってきます。台風対策についてはよくご存じのことと思いますので、台風という現象を科学的に捉えてみましょう。
台風の発生
台風は、赤道付近で発生した熱帯低気圧の内、最大風力8以上(約17m/s)以上に発達したものを言います。ほとんどが北半球で発生しますが、中には南半球で発生して赤道を超えて北半球に攻め込むヤツもいます。ちなみにオーストラリアなどに攻め込むヤツは、ウィリーウィリーと言っていましたが、今はサイクロンと呼んでいます。
台風は貿易風(偏東風)のうねりと、26℃以上の海水温により起こるとされています。もっともこの条件に当てはまるものは、年間で何百とあるのですが、その内のごく一部が台風として発達すると考えられます。従って地球環境の変化によって台風の激増や激減が起こり得るとも思われます。
台風の発達
台風は水蒸気が凝固して水になる熱エネルギーを原動力としています。水分が凝固した空気は軽くなって上昇し、地上付近の湿った空気を上昇させ、その繰り返しによって発達します。従って湿った空気の少ない陸上や、温度が26℃以下の海上では台風は衰退していきます。
台風の進路
台風は地球の自転による遠心力によっておおまかに北へ進みます。といったら、多くの人は赤道へ動くんじゃないかと思うようですが、台風は周りの空気より軽いので周りの空気が遠心力で赤道方向に動き、台風はその分北方向へ動きます。台風は高気圧の中には進めませんので、高気圧を避けて進むか、高気圧が動くまで停滞することになります。
さて、生まれた台風は貿易風に乗って北西に移動し、中緯度高圧帯(亜熱帯高気圧帯)に入ります。ここでは台風を押し流す力がありませんので、ほぼ北に動き、偏西風に乗って北東へと動きます。この偏西風は冬に南下して最も強くなり、夏に北上して最も弱くなります。
また2つ以上の台風が1000km以内にあるときには、干渉しあって複雑な動きをします。これを藤原効果と言います。
従って、冬場に近づくと台風は日本の南海上で東へ去ってしまいます。夏場は偏西風が弱く、中国方向へ向かってしまったり、迷走台風といってあっちふらふら、こっちふらふらと千鳥足状態で進むものもあります。
台風の上陸
台風が日本に上陸するのは、8月・9月が多いです。台風の被害は、豪雨、強風、高潮、波、雷などです。
台風は普通は、台風20号のように号数で呼ばれますが、特に被害の大きかった台風には気象庁が命名しています。気象庁により命名された台風は次の8つです。
・洞爺丸台風 昭和29年台風第15号
死者・行方不明者あわせて1155人(日本海難事故最大)
係留中の連絡船5隻が沈没
強風により、岩内大火 3298戸が焼失、罹災者16622人、死者35人、負傷者551人、行方不明3人
・狩野川台風 昭和33年台風第22号
死者・行方不明:1,269名 住家の全・半壊・流出:16,743戸 住家の床上・床下浸水:521,715戸 船舶被害:260隻
・宮古島台風 昭和34年台風第14号
韓国全土で948人の死者・行方不明者(韓国最大)
・伊勢湾台風 昭和34年台風第15号
死者4,697人・行方不明者401人・負傷者38,921人
・第2室戸台風 昭和36年台風第18号
死者194名、行方不明者8名、負傷者4,972名
・第2宮古島台風 昭和41年台風第18号 最大瞬間風速85.3m/s(観測史上最高)
負傷者41名、住家損壊7,765棟、浸水30棟 農作物被害甚大
・第3宮古島台風 昭和43年台風第16号
死者11名、負傷者80名 住家損壊5,715棟 住家浸水15,322棟 耕地被害2,747ha 船舶被害85隻
・沖永良部台風 昭和52年台風第9号 905㏔(日本史上最低気圧)
死者1名、負傷者139名、住家全半壊・流失2,829棟、住家浸水4,118棟、住家一部破損1,937棟、山がけ崩れ206箇所
その他
・室戸台風 昭和9年
死者2,702人、不明334人、負傷者14,994人
・枕崎台風 昭和20年台風第16号
死者2,473人、行方不明者1,283人、負傷者2,452人
・阿久根台風 昭和20年台風第20号
死者377人、行方不明者74人、負傷者202人
・カスリーン台風 昭和22年台風第9号
死者 1,077名 行方不明者 853名 負傷者 1,547名
・アイオン台風 昭和23年台風第21号
死者 512名 行方不明者 326名 負傷者 1,956名
・デラ台風 昭和24年台風第2号
死者252名、行方不明者216名、負傷者367名
・ジュディス台風 昭和24年台風第9号
死者154名、行方不明25名、負傷者213名
・キティ台風 昭和24年台風第10号
死者135名、行方不明者25名、負傷者479名
・ジェーン台風 昭和25年台風第28号
死者398名、行方不明者141名、負傷者26,062名
・ルース台風 昭和26年台風第15号
死者572名、行方不明者371名、負傷者2,644名
・昭和28年台風第13号 カテゴリー5
死者393名、行方不明者85名、負傷者2,559名
・昭和29年台風第12号
死者107名、行方不明者37名、負傷者311名
・昭和34年台風第7号
死者188名、行方不明者47名、負傷者1,528名
・昭和40年台風第23号、第24号、第25号
死者153名、行方不明者28名、負傷者1,206名
・昭和49年台風第8号 梅雨前線豪雨含む
死者145名、行方不明者1名、負傷者496名
・昭和51年台風第17号 カテゴリー4
死者161名、行方不明10名、負傷者537名
・昭和54年台風第20号 カテゴリー5
死者110名、行方不明者5名、負傷者543名
・昭和57年台風第10号 カテゴリー5 7月豪雨の被害者を含む
死者427名、行方不明者12、負傷者1,175名
以降、死者100人を超える台風は来ていません。
台風の発生
台風は、赤道付近で発生した熱帯低気圧の内、最大風力8以上(約17m/s)以上に発達したものを言います。ほとんどが北半球で発生しますが、中には南半球で発生して赤道を超えて北半球に攻め込むヤツもいます。ちなみにオーストラリアなどに攻め込むヤツは、ウィリーウィリーと言っていましたが、今はサイクロンと呼んでいます。
台風は貿易風(偏東風)のうねりと、26℃以上の海水温により起こるとされています。もっともこの条件に当てはまるものは、年間で何百とあるのですが、その内のごく一部が台風として発達すると考えられます。従って地球環境の変化によって台風の激増や激減が起こり得るとも思われます。
台風の発達
台風は水蒸気が凝固して水になる熱エネルギーを原動力としています。水分が凝固した空気は軽くなって上昇し、地上付近の湿った空気を上昇させ、その繰り返しによって発達します。従って湿った空気の少ない陸上や、温度が26℃以下の海上では台風は衰退していきます。
台風の進路
台風は地球の自転による遠心力によっておおまかに北へ進みます。といったら、多くの人は赤道へ動くんじゃないかと思うようですが、台風は周りの空気より軽いので周りの空気が遠心力で赤道方向に動き、台風はその分北方向へ動きます。台風は高気圧の中には進めませんので、高気圧を避けて進むか、高気圧が動くまで停滞することになります。
さて、生まれた台風は貿易風に乗って北西に移動し、中緯度高圧帯(亜熱帯高気圧帯)に入ります。ここでは台風を押し流す力がありませんので、ほぼ北に動き、偏西風に乗って北東へと動きます。この偏西風は冬に南下して最も強くなり、夏に北上して最も弱くなります。
また2つ以上の台風が1000km以内にあるときには、干渉しあって複雑な動きをします。これを藤原効果と言います。
従って、冬場に近づくと台風は日本の南海上で東へ去ってしまいます。夏場は偏西風が弱く、中国方向へ向かってしまったり、迷走台風といってあっちふらふら、こっちふらふらと千鳥足状態で進むものもあります。
台風の上陸
台風が日本に上陸するのは、8月・9月が多いです。台風の被害は、豪雨、強風、高潮、波、雷などです。
台風は普通は、台風20号のように号数で呼ばれますが、特に被害の大きかった台風には気象庁が命名しています。気象庁により命名された台風は次の8つです。
・洞爺丸台風 昭和29年台風第15号
死者・行方不明者あわせて1155人(日本海難事故最大)
係留中の連絡船5隻が沈没
強風により、岩内大火 3298戸が焼失、罹災者16622人、死者35人、負傷者551人、行方不明3人
・狩野川台風 昭和33年台風第22号
死者・行方不明:1,269名 住家の全・半壊・流出:16,743戸 住家の床上・床下浸水:521,715戸 船舶被害:260隻
・宮古島台風 昭和34年台風第14号
韓国全土で948人の死者・行方不明者(韓国最大)
・伊勢湾台風 昭和34年台風第15号
死者4,697人・行方不明者401人・負傷者38,921人
・第2室戸台風 昭和36年台風第18号
死者194名、行方不明者8名、負傷者4,972名
・第2宮古島台風 昭和41年台風第18号 最大瞬間風速85.3m/s(観測史上最高)
負傷者41名、住家損壊7,765棟、浸水30棟 農作物被害甚大
・第3宮古島台風 昭和43年台風第16号
死者11名、負傷者80名 住家損壊5,715棟 住家浸水15,322棟 耕地被害2,747ha 船舶被害85隻
・沖永良部台風 昭和52年台風第9号 905㏔(日本史上最低気圧)
死者1名、負傷者139名、住家全半壊・流失2,829棟、住家浸水4,118棟、住家一部破損1,937棟、山がけ崩れ206箇所
その他
・室戸台風 昭和9年
死者2,702人、不明334人、負傷者14,994人
・枕崎台風 昭和20年台風第16号
死者2,473人、行方不明者1,283人、負傷者2,452人
・阿久根台風 昭和20年台風第20号
死者377人、行方不明者74人、負傷者202人
・カスリーン台風 昭和22年台風第9号
死者 1,077名 行方不明者 853名 負傷者 1,547名
・アイオン台風 昭和23年台風第21号
死者 512名 行方不明者 326名 負傷者 1,956名
・デラ台風 昭和24年台風第2号
死者252名、行方不明者216名、負傷者367名
・ジュディス台風 昭和24年台風第9号
死者154名、行方不明25名、負傷者213名
・キティ台風 昭和24年台風第10号
死者135名、行方不明者25名、負傷者479名
・ジェーン台風 昭和25年台風第28号
死者398名、行方不明者141名、負傷者26,062名
・ルース台風 昭和26年台風第15号
死者572名、行方不明者371名、負傷者2,644名
・昭和28年台風第13号 カテゴリー5
死者393名、行方不明者85名、負傷者2,559名
・昭和29年台風第12号
死者107名、行方不明者37名、負傷者311名
・昭和34年台風第7号
死者188名、行方不明者47名、負傷者1,528名
・昭和40年台風第23号、第24号、第25号
死者153名、行方不明者28名、負傷者1,206名
・昭和49年台風第8号 梅雨前線豪雨含む
死者145名、行方不明者1名、負傷者496名
・昭和51年台風第17号 カテゴリー4
死者161名、行方不明10名、負傷者537名
・昭和54年台風第20号 カテゴリー5
死者110名、行方不明者5名、負傷者543名
・昭和57年台風第10号 カテゴリー5 7月豪雨の被害者を含む
死者427名、行方不明者12、負傷者1,175名
以降、死者100人を超える台風は来ていません。