2017年8月12日土曜日

肩こりに気をつけましょう

肩こりは、姿勢や運動不足・ストレスなどの緊張から起こります。ほとんどの場合は特に心配いらないのですが、中には他の病気が原因となって起こる肩こりもあります。 
肩こりにともない頭痛やめまい、吐き気などの症状があらわれている場合には、命に関わる病気かも知れませんよ。「最近ストレスが大きいから」とか思わないで下さい。病気の原因を見てみると、ストレスが絡んでいるのは意外と多いのです。下のような症状が突然現れるとか、どうもこの頃・・・、とかの場合は、病院で診察を受けておくのがいいでしょう。

脊髄腫瘍
肩こり、首の痛みのなかでも一番恐ろしいのは、脊髄腫瘍でしょう。
痛む場所が一定せず日増しに痛みが強くなり、痛みが腕にまで広がって指先の痺れや麻痺を起こし、めまいや嘔吐を伴う場合にはこの可能性があります。オピオイド系以外の鎮痛薬の効き目がなく、日増しに痛みが強くなるので、肩こりとは明らかに違います。躊躇せず病院で検査をうけるようにしましょう。 がんに対しては、「早期発見」「早期治療」が重要です。

心臓病(狭心症・心筋梗塞)
心臓から約30cm以内の肩こりの場合、心臓病(狭心症・心筋梗塞)の可能性があります。30cm以内ですから、肩の他、胸・背中・腹・腰など上半身のどこが痛んでも不思議はありません。時には歯が痛むこともあるようです。これを放散痛と言います。
放散痛の場合は片側だけ痛むことが多いので、「最近左側だけがやたらこる」などと感じるようなら、医者に行った方が良いかも知れません。とくに中性脂肪値が高い人、高血圧の人などは注意が必要です。心臓病が進行している場合には、肩こりどころではなく激痛が走ります、こうなる前に検査をするのがいいでしょう。

クモ膜下出血
急で激しい頭痛はクモ膜下出血の前兆の場合があります。頭痛の前段階として首が回らないほどの激しい肩こりを起こることがあります。クモ膜下出血は、脳動脈瘤が破裂して起こりますが、脳動脈瘤が首の付け根や肩の近くにあり、軽い出血があれば、首が痛くなります。ものが見えにくくなったりするなら、病院より救急車の方が良いでしょう。

高血圧から脳梗塞
悪い姿勢や疲労、運動不足などが原因で起こる一般的な肩こりは、ふつう、一仕事済んだ昼過ぎから夕方ころ、両肩に起こり始めます。このような一般的な肩こりとは違って、朝から肩がこり、なかなか解消されない場合は 「高血圧」が疑われます。 高血圧数少ない自覚症状の中で、特に注意したいのは「朝の肩こり」です。 血圧は、早朝から上昇してきます。すると肩や首の血流が悪くなるため、高血圧の人は、朝目覚めてすぐに肩こりが起こることが多いのです。 十分な睡眠や休養を取ったにもかかわらず、起床時に肩こりが解消していない場合は、高血圧の疑いがあります。しかも、早朝からの肩こりは、脳に血液を運ぶ頚動脈が強く圧迫されるため、非常に危険です。頚動脈の圧迫によって、脳の中の血管が痙攣して血流が止まり、脳梗塞を起こす場合あります。

糖尿病
初期の糖尿病には目立った症状はありません。のどが渇く、排尿の量や回数が増える、疲れやすくなる、極度にやせるなどの症状は糖尿病がかなり進んでから現れます。
高血糖になると血液の粘り気が強まり、血流が悪化します。 そのため、首から肩・背中にかけて、まるでゴム製の板でも入っているかのように、パンパンに張った強いコリが現れます。 また、パンパンに張った部分を無理に指でつまんだり押したりすると、皮膚がへこんで跡が付くこともあります。 これは、浮腫(むくみ)がある証拠で、専門的には「糖尿病性硬化症」と呼んでいます。 合併症を招かないためにも、食事と運動に気を使って生活し、専門医の診察を受けましょう。

肝臓病・肝炎
右側の肩甲骨や右肩が痛む場合は、肝臓障害の可能性があります。しかも腎臓の病気が原因でおこる肩こりの場合、一般的な肩こりよりも激痛であることが多いです。ですから、右側の肩甲骨や右肩に強い痛みが出た場合は、一度病院で診察を受ける事をおすすめします。

胆石
右肩のひどいこりがあり、加齢・肥満・過度の飲酒・運動不足・コレステロールの取りすぎなどに覚えがある人は胆石の疑いが強いです。特にダイエットは胆石に悪いようで、女性の方が男性の3倍の発現率となっています。

うつ病
うつ病になると自律神経の乱れによって、肩こりを始めとして、頭痛・吐き気・食欲不振・めまい・全身の痛みなどの症状が現れます。肩こりの症状よりもうつ病の治療が優先されます。

頚椎椎間板ヘルニア
下記にゆくほど症状は悪化しています。
1.首痛・肩こり・背中の痛み
2.手のしびれ、むくみ・腕が痛む、だるい・握力の低下
3.頭痛・めまい・吐き気・耳鳴り
4.歩行障害や尿失禁など
痛みが進行している場合や強い場合は安静が必要です。 基本的には、消炎鎮痛剤や湿布、必要に応じ、姿勢矯正、装具療法、けん引療法など、保存的療法で治療を進めます。 症状が軽い場合は通院して治療を進めますが、症状の程度によっては、ヘルニアの摘出・椎骨の固定などの手術が必要になることもあります。 最近では、PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)という椎間板の圧力を減らす手術(日帰り手術も可能)も行われています。治療法が確立され、昔ほど怖い病気ではなくなりました。早めに診察を受けるのがいいと思います。

変形性頚椎症(頸部脊椎症)
無自覚の場合もあり、初期では、肩こりや首の痛みなどがあります。症状が進むにつれて、肩や腕のしびれ・後頭部に痛みが現れたり、動かす方向によっては首が痛くなったりする場合もあります。 頸椎の老化に関係し、椎骨と椎骨の間にある椎間板が薄くなったり、椎骨のふちに骨棘(こっきょく-とげのような突起)が出てくるため、周囲の組織である脊髄や神経根、血管を圧迫することが原因でおこります。早期のうちに治療をうけると、症状の進行に歯止めをかけられることができます。神経麻痺など、日常生活に支障をきたすように症状が深刻な場合は、手術をして改善します。

むち打ち症
私も交通事故でむち打ち症と診断されたことがあります。
衝撃後、数時間後~翌日になってから首が動かしづらい、動かすと痛い、押すと痛いなどの痛みや、熱、頭が重い感じなどの症状が現れます。衝撃の度合いにより、症状も様々で、肩こりやこわばりなどの軽度のものから、後頭部や腕のしびれ、首や背中が動かしづらい、めまい・吐き気・全身の倦怠感、腰痛、視力障害、耳鳴りなどがおきることもあります。損傷の型の多くは、「頸椎捻挫型」となります。
基本的には、全身の安静。頸椎カラーの装着。痛みには消炎鎮痛剤などを使用します。なお、頸椎カラーの長期装着は、首の筋肉の筋力低下につながるため注意が必要です。また、症状が重度の場合、入院して薬物療法、理学療法が用いられます。

胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)
胸郭出口とは、「鎖骨と一番上の肋骨の間にある隙間」のことをさし、この隙間が狭くなることにより、そこを通っている神経や血管を圧迫するために、肩・腕に様々な症状が出るものです。特徴として、「手を上にあげると痛みが起こる」があげられ、症状として多いのは、「肩や首のこり・痛み」「腕から手にかけての痺れ」「腕のだるさ」があります。又、血管が圧迫されている場合は、血管が圧迫されることにより、「手指の冷感」「指先が蒼白・紫色」になることもあります。治療は、必要に応じ、消炎鎮痛剤や筋肉弛緩剤を使用し、症状が重い場合は、外科手術が必要になることもあります。

肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
特に原因もなく自然に肩が痛み、腕が上がらなくなるなど、老化とともに肩関節が痛んだり、動きが以前より悪くなるものです。 症状としては、「肩があがらない」「夜間、肩が痛んで眠れない」「動作時に痛む」があげられます。 大半は、時間の経過とともに痛みがとれてきますが、治療は早い時期に開始したほうが治りも早いようです。

頚肩腕症候群
本来、頚肩腕症候群とは、さまざまな原因によって、首、肩、腕にかけてのこりや痛み、痺れなど、はっきりとした診断がつきにくい病気の総称をさします。症状としては、肩こり・頭痛・上肢の痛みやしびれ・冷感・めまい。首・肩・腕の筋肉痛など、があげられます。病名自体はっきりとした診断がつきにくい病気の総称ため、考えられる原因も、頸椎椎間板の異常、首・肩周辺筋肉の疲労、ストレス、内臓疾患など様々です。症状ががんこな場合、原因を専門医によってはっきりさせることが大切です。

ストレートネック
首の頸椎の湾曲がなくなる病気で、猫背・事務職・首を鳴らす・腕の痺れなどのある人に多く、頭の重さを肩で支えるために肩こりを起こします。割とに多い病気ですが、ひどい場合は手術の必要もあるので、たかがストレートネックと考えてはいけません。

肩こりだから心配ないだろうと簡単に考えないで下さいね。

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